Power Mac G5 用8x AGP ビデオカード Radeon 9600 Pro をPower Mac G4で使用する

 PowerMac G5 より採用された8x AGP スロット。当初従来の4x/2xと互換性は全くないと思っていたのだが、ネット上で改造により使用可能とのレポートが。早速試してみた。なお、本記事ではG5に純正装着されたRadeon 9600 Pro 64MBを取り上げているが、やはり純正のRadeon 9600 XT 128MBでも同様である。(Revision違いも含め、全てのOEM Radeon 9600 でうまくいくとは限らないため、 改造は自己責任でお願いいたします。)
また2005年夏に、リテール版のG4/G5用のRadeon 9600 Pro 256MBが発売されている。これは元からG4/G5用で、本記事の改造は不用である。

8x AGP スロットと4x AGPスロットの違い

G5に装着されていた、8x AGPのATI Radeon 9800 Pro(上)と、4x AGPのnVIDIA Geforce 4 (下)の比較。
8x AGPはやたらコネクタが多いし、ADC電源供給コネクタの位置も違うし、ハズレ防止フックの位置も全く異なる。
ちなみに、G5の下位グレード用のnVIDIA GeForce FX 5200 Ultraも同じ状況である。8xはAGP 3.0に対応し、ピンが拡張されているためだ。(4xはAGP
2.0)

これでは、全く互換性がないと思われたのだが・・・

ところが、TECHSEEKERSにG5 OEMのRADEON 9600 PROがPower Mac G4で使用できたとのレポートが掲載された。

筆者のEric Murphy氏に感謝。
Thank you, Eric!

物理的な制約

上が今回の主役Radeon 9600 Pro。Radeon 9800 Proよりコネクターは随分寂しい。その分、望みが持てそうである。
目に付く違いは3点。

1. ADC電源供給コネクター 位置が異なる。(ADCモニターを使わなければ、コネクターに刺さらなくても特に問題はない)

2. メインコネクター部の切り欠きが一つ少ない。

3. 脱落防止用フック位置が違う。
(ロックされなくても特に問題はないでしょう。Power Mac G4 AGP Graphicsにはこのロックの受けがないくらいだから)

Power Mac G4 MDD Firewire 800 の場合

AUX電源コネクターがあり、脱落防止用フックが干渉しそのままでは物理的に装着できない。メインコネクター部は、問題ない。
(写真はRadeon 9000 を装着している様子)
フックを折ってしまえば、物理的な装着は可能である。

ADC電源コネクターはささらない。

Power Mac G4 MDD 2002, QuickSilver, Digital Audioの場合

物理的な装着は問題ない。

ADC電源コネクターはささらない。

Power Mac G4 Gigabit Ethernet, AGP Graphicsの場合
この機種は、2x AGPスロットである。こちらは、スロット側の凸部にフィットする切り欠きがないため、スロットに装着できない。
物理的な取り付けの結論

Power Mac G4 MDD Firewire 800 :脱落防止用フックを折ってしまえば取り付け可能
Power Mac G4 MDD 2002, QuickSilver, Digital Audio:そのまま取り付け可能
Power Mac G4 Gigabit Ethernet, AGP Graphics: 取り付けできない

8x AGP設定を4x AGP設定に変更する

上記の取り付け可能なカードを取り付け起動しようとすると、電源すら入らない。
これは、3ピンがx8設定になっていることをロジックボードが関知して、電源を入れないためである。

また、11ピンが実際の動作モードを決めている。当然そのままでは8xモードだ。

G5では3ピンと11ピンがグラウンドに落としてある。グラウンドから浮かせば x4設定となる。
そのための手っ取り早い方法は、テープ貼り。2つのピンのみが絶縁されるよう、注意深くテープを貼る 。G5で使わなくて良いなら、パターンを削り取った方がよいだろう。

パターンを削り取った図。後ろのフックも切り取った。
これで、無事Radeon 9600 Proから起動できる。 MDD 2002, QuickSilver, Digital Audio では、実際に起動することを確認できた。MDD Firewire 800 でも、起動できるはずだ。
ADCの対応

問題はADCの電源コネクター。ここに24 〜28Vを供給しないと、ADCモニターが使えない。以下の解決方法が考えられる。

1. ADCモニターは使わない。この際DVI接続の新Cinema Displayに買い換えるのも一案である。
2. DVI-ADC変換アダプターを使用する。
3. 24V 60W程度のACアダプターを用意し、ビデオカードに直接電圧を供給する。
4.  Eric Murphy氏のレポートにあるように、ロジックボード上のADC電源コネクターからビデオカードに配線を追加する。

ベンチ結果

どうもビデオ性能のベンチ結果というのは、ビデオ性能を的確に代表していない気がするのであくまで参考程度に。64MB版のビデオカードとしては屈指の性能を持つRadeon 8500 を、ベンチ上上回ることができた。
もちろん上にはRadeon 9800があるわけで最高性能とはいかないが、うまく入手できればコストパフォーマンスの高いアップグレードになるだろう。

Xbench 項目
G4 QS 1.47GHz + Radeon 9600 64MB
G4 QS 1.47GHz + Radeon 8500 64MB
Quartz Graphics Test
206.50
184.70
OpenGL Graphics Test
135.26
132.33
入手方法

Radeon 9600 Pro Mac Editionはリテール版ではないだけに、簡単に入手できる物ではありません。元々は初代のPower Mac G5 2.0GHz Dualに標準で装着されていたビデオカードです。知りあいで、標準のビデオカードをRadeon 9800 SEや30インチシネマ対応のビデオカードに換えようと言う人がいたら、交渉してみましょう。良い買い物ができるかもしれません。

Vintage Computer でも、入手できた際には販売しております。(改造は、自己責任でお願いいたします)