G4 Cube用 Giga Designs 高出力電源ボード解説
 G4 Cubeファンにとって、待望の製品がGiga Designs より発表された。高出力電源ボード C-VRM である。同社のCube用 G4 1.6GHz デュアルカードの電源容量不足を補うために開発された物である。
 Cubeファンにとって嬉しいのが、この高出力電源ボードが G4 1.6GHz デュアルカードの付属品としてのみでなく、単体販売もされたことだ。 純正の電源ボードは出力が限られるだけでなく、使用に伴い劣化が進んでいるので、これまで改造Cubeにはなにかと電源関連の問題が多かった。この問題を一挙に解決できる製品として、注目を浴びている。今回は、この高出力電源ボード C-VRM について解説する。

 

1. カード外観

上が純正VRM、下がGiga Designs製 C-VRM。幅はC-VRMがわずかに狭く、高さはC-VRMがやや大きい。特に目立つのが、背の高い電解コンデンサーだ。 G4 1.6GHz デュアルカードの補助電源用に、コネクターが用意されている。
純正品に見られるような、セラミックコンデンサーは使用されていない。

裏面には3つの背の高いインダクタンス(コイル)が配置されている。

 

この通り、電解コンデンサーとインダクタンスの影響でかなりの厚み増になる。

 

取り付け状態
取り付けは、簡単。知恵の輪的に多少無理をするとトップレートを外さなくても取り付け可能だ。
背面のインダクタンスはかなり熱くなる。
厚みは増した物の、ビデオカードスペースを避ける形で、コンデンサーが配置されているので、純正VRMよりむしろビデオカードのスペースは増えている。

PowerCube の電源ボード移動キットが使用できるか確認してみた。取り付け金具は、穴位置と部品配置のせいで全く流用できない。まー、これは新たに作るとしても・・・
ケーブルを接続して、仮置きしてみるが 、厚みのせいで一回り大きいPowerCube の筐体にも収まりきらない。よほどの加工改造を行わない限り、PowerCube の電源ボード移動キットは使用できない。

 

ビデオカードの取り付け
厚みが増したC-VRMだが、先に述べた通りビデオカードスペースはむしろ増えている。各ビデオカードの取り付けについて、実機で確認してみた。

1.  nVidia Geforce 2 32MB

純正VRMでもまったく問題なく取り付けられるカード。当然ながらC-VRMでも問題ない。


2. ATI Radeon Retail 32MB

純正VRMでは、わずかに干渉するため、加工によって使用可能になるカードである。C-VRMでは、電源ファンコネクターが干渉してしまい、そのままでは取り付けられなかったが、コネクターを外すと取り付け可能になった。
ファンには別途電源を供給することによって、使用することも可能だろう。
C-VRMの補助電源用コネクターが、こっちにおいでと呼んでいるようにも見える。(コネクターは合わない)

3. ATI Radeon 9000

純正VRMでは、電源ボード移動が必須だったが、C-VRMでは物理的にはそのまま収まってしまった。熱的には厳しいと思われるので、運用には十分注意する必用がある。
試す時には、絶縁にも十分配慮して欲しい。

4. nVidia Geforce 4 MX

nVidia Geforce 4 MX にはいくつかタイプがあるが、今回用意したのは 64MB 。ADC/DVIのタイプだ。他のタイプでは異なることもあり得るので、注意して欲しい。

nVidia Geforce 4 MX をCubeで使用する場合、カード後ろ側の加工とADC爪を折る必用があるが、今回加工品は用意できなかったので、あくまで現物で様子を見てみるだけである。こうしてみる限り、ビデオカード上のコンデンサは、うまくC-VRMを逃げており、干渉することなく取り付け可能と思われる。
nVidia Geforce 4 MX は比較的発熱が少ないので、C-VRMとセットで使用するのは良いかもしれない。

 

お客様からのフィードバック

 C-VRMの反響は予想以上で、発売間もなくかなりの数を販売いたしました。それに伴い、お客様からのフィードバックもいただいていますので、ここに掲載いたします。

環境
お客様のコメント
Giga 7457 1.4GHz + Geforce 3 + 80GB 7200rpm

これまで、純正VRMではこの環境ではまともに動作せず、 Geforce 3はお蔵入りしていました。C-VRMと併用したら、問題なく起動・動作しました。

Giga 7457 1.5GHz + Geforce 2 64MB + 120GB 7200rpm 少々不安定だったのですが、解消しました。
Sonnet 1.2GHz + ATI Radeon 9000 + 電源ボード移動 これまで起動不能になることがあったのですが、解消しました。
Giga 7457 1.3GHz ファンレス 元々安定していたので、何も変わりません。(実は一番多い声です。)
Giga 7457 1.3GHz ファンレス + Geforce 2 32MB 特に問題なく動作しているのですが、C-VRM裏側のインダクタンスがかなり熱くなります。大丈夫でしょうか。(Vintage Computer でも現象を確認しています)
Sonnet 1.2GHz + ATI Radeon 9000 + 電源ボード移動 純正VRMでは問題なかったのに起動しません。電源ボードを直接装着すると起動します。(同様のコメントをいくつか頂いています。)

 

まとめ1

 電源容量的に厳しい環境では、不安定、起動不能などが解消されており、やはり電源容量が確実に増加していることが伺える。純正VRMで特に問題の無かった環境では、当然ながら変化はないわけだが、電源容量は増加しているので余裕という面では好ましい方向と思われる。

 気になるのは 電源ボードを移動していると、起動不良や不安定などの問題が報告されている点だ。 電源ボードを移動していると必ず問題が出るわけではなく、同様の環境でも問題ない場合もある。本来の装着位置に取り付ける問題は出ないので、C-VRMの問題とは言い切れないが、純正VRMでは大丈夫だったので気になる点だ。

そこで、本件を含む疑問をVintage ComputerよりGiga Designs のプロダクトマネージャー Tim Ericksen氏(写真)に直撃してみた。

 

質問
Giga Designs Tim Ericksen氏回答
C-VRM で電源容量が増加するわけですが、どのくらいの環境まで対応すると考えればいいのでしょうか? 1.6GHz 7447 Dual にnVidia Geforce 2ビデオカード、7200rpmのHDDを装着した状態で、電源容量には問題がありません。
現時点の、Cubeのフルチューン状態に対応しています。
C-VRM 背面のインダクタンス、特に中央がかなり熱くなりますが、大丈夫でしょうか?

先の環境で、このパーツは85度位まで上がりますので、触るとかなり熱いです。パーツ単体では125度までの耐熱性がありますので、パーツとしては全く問題ありません。もちろん、上記環境でシステムとして問題ないことを確認しています。

延長ケーブルによりVRMを移動した場合、純正VRMでは問題ないのに、C-VRM で問題が発生している場合があります。C-VRMに何らかの問題はないのでしょうか?

標準のスロットに装着した状態を前提に、設計及びテストを行っております。標準スロット位置では、十分な電源容量と電源品質を確保しています。
延長ケーブルの長さや品質に電源品質は大きな影響を受けますので、ケーブルによっては問題が出る場合があるかもしれません。あくまで、標準スロット位置での使用を前提とした製品とお考えください。
しかしながら、純正VRMでは問題ないのに C-VRM で問題が発生しているとうのは気になります。そのケーブルの入手が可能であれば、Giga Designs でもテストをしてみたいと思います。
(Vintage Computerでは、Giga Designs 社と協力し、今後電源ボード移設状態でのテストを行う予定である)

 

まとめ2

 Tim Ericksen氏 には、「高周波のリップル分が取り切れていないのでは?」、とか「入出力インピーダンスが高く、ノイズに弱いのでは?」といった突っ込んだ疑問を投げかけてみたが、あくまで「標準スロット位置では、十分な電源容量と電源品質を確保しています。」という回答となった。
 確かに標準スロット位置では問題なく、効果も出ているので、延長ケーブルとC-VRMの相性的な問題と考えるのが妥当と思われる。

また、先のYokochin氏もその後の追加記事(見出し記事)で、同氏の指摘が必ずしも当たらないかもしれないという内容を掲載されている。

現時点での結論;C-VRM はCubeの電源容量不足解消に確実に効果がある。ただし標準スロットでの使用が前提であり、電源ボード移動は、動作保証対象外となる。